癒しのオーロラボイス、ムードメーカー、フラット担当

筆者が一番最初にベビモンに注目したキッカケになったのが、彼女の歌声だ。

初見ですぐさま、「なんて貴(とおと)い音色なんだろう」と感銘を受けた。しかも、彼女はまだ16歳。

オーロラのように全ての人に癒しを与える存在になって欲しいとの願いから「RORA」と名付けられた。

歌詞を徹底的に自分で咀嚼(そしゃく:よく理解すること)してから声に出して歌うことをモットーにしているという。

どんな歌でも年齢を感じさせない抜群の表現力は、彼女のそんなストイックな姿勢の現れだろう。

程よくエッジの効いた、実に深みのある、決して上品さを失わないそのミドルボイスが彼女の最大のセールスポイントだと感じる。

お姫様ファリタのクリアなヘッドボイスとはまた違う、まさに「万人に受け入れられる声質」の持ち主である。

彼女が歌い始めると、私には声の「オーラ」が彼女の体全体を包み込んで広がっていくのを感じる。

特徴的なラップやヒップホップ系の曲では、彼女の声は目立ちにくい。

しかし、曲の最初や曲調の変わり目には必ずセンターに登場。

YGは彼女を「フラット」担当として位置付けているようにもみえる。

ステージの場や曲の途中で、新たな展開に移る前の切り替え的な役目を果たしている。

                     RORAの登場シーン

これも、彼女が持つ豊かでニュートラルな表現力、適応力があるからこその、当然の起用だといえる。

また、彼女は正統派の美人との評判も多い。

K-POPアイドルは一般的に「造形美」的な美人が多いが、彼女の美しさはナチュラルな感がある。

年下らしく、「一歩引いて相手を立てること」を美徳とする性格もあるのだろう。

他人を立てることは、一見消極的に見えるが、実は自分の存在価値を最大限信じていないと出来ないことだ。

自分の存在の尊さを信じ、自分をよく愛するからこそ、人は他人の存在を尊重し立てることができるのだ。

ややうがった見方かもしれないが、ヒップホップ調の曲では、演出上のためか帽子をかぶることが多い。

そのため、身長もメンバー中で一番高く、よく目立つため、ことさらにアピールする設定はなくても大丈夫なのか?

しかし、バラード系の曲になると彼女のパートは途端にソウルフルな雰囲気を醸し出し、存在感を放つ。

他のメンバーが、磨き抜かれた技術で聴かせるのに比べて、彼女はプラス「ハートで聴かせる」タイプだ。

ベビーフェイスに不似合いな低音エッジボイスが、いい意味でギャップを作り出している。

日頃から常にメンバーやファンに細かな気遣いを見せる。

また、仕切り役として振る舞うシーンもよく見られている。

彼女がベビモンの強い結束力の源であることは想像に難くない。

「世界の空に輝くオーロラ」になれる日もそう遠くないと確信している。

まとめ

すべての人を癒す「オーロラ」にちなんで「RORA」と名付けられた。

全ての要素を兼ね備えた、ニュートラルで誰彼なく好かれるその歌声は天性ではなく、努力と歌に対する真摯な想いの結晶。

チームを支え、回していく潤滑油的な存在。

場面の切り替えや導入など、重要な場面でなんの違和感もなく役目をこなしている。

いずれ、世界中で愛されるべきその声は未だ進化を続けている。